米国CS経営の視察(その3)
視察ツアーの3日目に、シリコンバレーにあるAgilent Technologiesを訪問した。
Agilentは1999年にHP社から分離独立した計測機器、分析機器の総合メーカで、2004年の売り上げは約7900億円、純利益約384億円、従業員28,000人の規模の会社である。
同社では、80年代にHPで築いた「Quality」(品質)にもう一度回帰して全社で取り組んでいる、と明言している。
米国では、多くのエクセレントカンパニーがQualityの重要性を今一度見直しているようだ。
AgilentのCS経営について、Customer&Quality担当エグゼクティブのHorner氏が説明してくれた。
同社では、自社に対するカストマーの評価を継続的なアンケート・サーベイを実施して把握している。
ここでいうカストマーとは、顧客以外に、仕入先、コールセンターの利用者からWebの利用者など全ての外部パートナーを含んでいる。
2004年に実施したアンケート・サーベイは実に2万7千件以上にのぼる。
同社の全ての部門に対するカストマーの評価情報がWebで社内公開され、全社員がタイムリーに見ることができるようになっている。
全社の評価が独自指標「Agilent Score」として数値化される。現在の評価は10点満点中「7.6 Agilent Score」だそうである。
Agilentの考え方は「カストマーの目」を大切にし、そのカストマーの目から見た同社の状態を全ての社員に公開することで、自主的改善を期待する。
改善の結果、ロイヤルカストマーが増えることにより、業績にその結果が反映されると主張する。
ロイヤルカストマーは継続的にAgilentのプロダクトを購入してくれるし、知人、友人、将来のカストマーにAgilentを推奨(レコメンド)してくれると主張する。
CS経営の基本を信念を持って推進しているように感じた。
Agilentを訪問した後、空港に行く途中で、Palo Altoにある有名な「HP Garage」に立ち寄った。
1938年にHPの創立者であるBill HewlettとDave Packardが事業をスタートした記念すべきGarageである。
このGarageから始まった事業がこの地域一帯に大きく広がったことから、IT技術の最先端を行くシリコンバレー発祥の地でもあると言われている。
Garageには、残念ながら再現工事中のため、入れなかった。
HPは、有名な女性CEOの元でコンパックを買収して規模のメリットを追及したが、新しいCEOの元で人員削減に手をつけざるを得ない状況にあるといわれている。
一方で、HPからスピンオフしたAgilentは、本来の「HP Way」の精神でCS経営を行って、業績が好転して評価されている。
2社の好対照ぶりに感慨無量な思いで、オークランド空港に向かった。
ニフティの経営にも、規模より質が重要であり、そのためにCS経営が必須であると実感した。

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